カモミール

カモミール<Chamomile>
プランター栽培・育て方と種類

カモミール<Chamomile>
「大地のリンゴ」の名のとおり、甘いさわやかな香り

別 名 : カモマイル、カミツレ
科 目 : キク科マトリカリア属
種まき  暖地/3~5月と9~11月、
寒地/4~6月

開花期  初夏~8月中旬
草 丈 : 60~90cm
利用部位 : 花
原 産  西ヨーロッパ

カモミール、カモマイル(英: chamomile、あるいはカモミーユ(仏: camomille)はキク科のハーブで、ヨーロッパから西アジアにかけて分布し、草丈60~90cmくらいになります。ハーブの代表格で、大きくジャーマン種とローマン種に分けることができます。ジャーマン種は一年草で、ローマン種は多年草です。花や葉姿、性質はどちらもよく似ていますが、属が異なり分類上はまったく別の植物です(ジャーマン種はマトリカリア属、ローマン種はアンテミス属に分類)。春に可憐な花を咲かせ、花にリンゴに似た特有の強い香りがあります。単にカモミールという場合ジャーマン種の方を指します。

「カモミール」の語源は、ギリシア語名のカマイメーロン(χαμαίμηλον(chamaímēlon))で、「大地の(χαμαί)リンゴ(μήλον)」という意味があり、花にリンゴの果実に似た香りがあることに由来しています。和名はカミツレまたはカミルレで、これはオランダ語名カーミレが語源です。

歴史
今から4千年以上前のバビロニアですでに薬草として用いられていたと言われ、安全で効果的なハーブとして、古くからヨーロッパ、アラビアで利用されてきました。中世までは特にフランスなどで薬草として用いられ、健胃・発汗・消炎作用があるとして、婦人病などに用いられ、ヨーロッパで最も歴史のある民間薬とされています。ハーブ処方の古典「バンクスの本草書」には、肝臓の痛み、頭痛、偏頭痛などに効能があり、ワインと共に飲むと良いと書かれています。日本には19世紀の初めにオランダから渡来し、その後鳥取や岡山などで栽培が始められました。

ジャーマン・カモミール
ジャーマン種は花後に枯れる一年草で、草丈は60cm90cm、葉は細かく切れ込んで繊細な構造です。日本へは19世紀の初めにオランダから薬として入ってきました。単に「カモミール」というと、本種のことを指し、ヨーロッパでは古くから民間薬として親しまれています。

春に白い花びらをもつ一重のキクのような花を咲かせ、筒状花(中心の黄色い部分)は、咲き進んでいくと盛り上がっていきます。花にはりんごのような甘い香りがあり、摘み取って乾燥させたものを生薬やハーブティー、入浴剤として利用します。カモミールティーは「大地のリンゴ」の名のとおり甘いリンゴのような香りがして飲みやすく、鎮静、消化促進・発汗作用などがあります。

ローマン・カモミール
ローマン種は毎年花を咲かせる多年草で、茎は這うように伸びていき先端に可憐な花を咲かせます。主な開花期は夏です。ローマン・カモミールは花だけでなく葉も甘い芳香を放ちます。ハーブティーはやや苦みがあるため、ジャーマン種に比べると飲みにくいですが、カマズレン(神経を鎮める作用のある成分)がジャーマン種より多く含まれるため、不眠やストレス解消に効果があるとされます。

利用法<カモミールティー>
現在では、主に安眠・リラックス作用を目当てに、乾燥花にお湯を注ぎハーブティーとして飲用します。ハーブティーとして利用されるのは主にジャーマン種で、鎮静、消化促進作用もあると言われています。比較的飲みやすいハーブティーで、あまり薬くさいにおいはせず、「大地のリンゴ」の名のとおり甘いリンゴのような香りがします。複数の似た薬効のハーブをブレンドして飲むこともあり、近年は自家製オリジナルブレンド品を販売する専門店も増えてきており、紅茶葉などとブレンドしたハーブティーも市販されています。

こうした飲み方は基本的には漢方薬の煎じたものと同一であり、東西を分けて同じ時代に発展してきたものでもあります。カモミールはキク科であるため、キク科アレルギーを持つ人には使えません。カモミールティーでアナフィラキシー反応を起こし死亡した例も報告されています。一方ローマン種の方は、ハーブティーとして利用しますが、苦みがあるために主に入浴剤や染色に利用します。

<精油>
花から水蒸気蒸留法で抽出した精油は、抽出が間もないうちは濃紺色をしています。この精油は、濃縮されたままでは不快な匂いがしますが、希釈するとフルーティーで甘いハーブ調の香りになります。精油は食品や香水に香料として使われ、アロマテラピーにも用いられます。キク科アレルギーの人は、カモミール油の使用は避けなければなりません。

<コンパニオンプランツ>
カモミールは園芸療法で扱われるハーブの代表格。カモミールは同じキク科の除虫菊などと同じく、コンパニオンプランツとして利用され、近くに生えている植物を健康にする働きがあります。たとえば、キャベツやタマネギのそばに植えておくと害虫予防になり、浸出液を苗木に噴霧すると立ち枯れ病を防ぐことができます。ハーブティーや入浴剤として使用した花を土に埋め込めば、カモミールの効果がある土になります。

収穫後の利用方法

利用部分 : 花
利用法 : 切り花、ドライフラワー、ハーブティー、料理、
ハーブバス、ポプリ、ガーデニング、美容など
効能・効用 :かつては薬草として用いられ、健胃剤・発汗剤・消炎剤・婦人病の薬などに用い
られていた。現在は、安眠の薬 と言われ、乾燥した花にお湯を注ぎ、降り出したものを飲むと、
リラックスしてよく眠れると言われている。カモミール・ティーとしてティーバッグも市販されている。
また、花から精油を抽出してアロマテラピーに用いる。 <出典:カモミール・フリー百科事典『ウィ
キペディア(wikipedia)>
カモミールの精油は、ヨーロッパでは古くから民間治療薬に用いられ、「女性と子供の精油」と呼
ばれるほど、広く安心して使えます。

◆精神面・・・・高ぶっている神経や動揺を鎮め、不眠・イライラなどのストレス緩和など、リラクゼー
ション効果があります。

身体面・・・・痛み全般によく、PMSや更年期のトラブル、生理痛など 婦人科系全般にも役立ち
ます。湿疹やじんましんなどアレルギーの症状緩和、風邪症状の緩和にも有効です。消化不良、
健胃、腹痛、冷え性、貧血の改善などにも効果が期待できます。

美容面・・・・乾燥肌の緩和  、肌の弾力性を高めます。花には精油0.5~1%を含み、カプリ
ン酸、ノニル酸をはじめ多くの生理活性物質を含んでいます。利用方法は、ハーブティーとして飲
む以外に、ポプリにして香りを楽しんだり、浴剤としてお風呂に入れたり、マッサージオイルとして
の利用がります。

カモミールの薬効はきわめて高く、病気の植物のそばに植えると治ってしまうほどです。

 栽培スケジュール
10 11 12 翌年以降
植えつけ
手入れ
追肥
収穫
ローマン
ふやし方
さし木 さし木
  ■耐寒性:強   ■耐暑性:弱 (暑さと乾燥に弱いので、夏は直射日光を避けましょう。)

1.カモミール栽培・育て方のポイント


●栽培難易度

カモミールも他のハーブと同様丈夫ですが、暑さと乾燥には弱く、生育全般にわたって「アブラムシ」の被害を受けやすいので注意が必要です。日当たり、風通し、水はけのよい場所で育てましょう。真夏はいくぶん遮光した方がいいので、半日陰に移動させます。 
●肥料

肥料は4月からチッ素分の少ない液肥、または有機固形肥料を、月に1回くらいの割合で与え始めます。真夏は与えず、9~10月に再び与え始めます。肥料はチッ素分の少ない緩効性化成肥料でも構いません。チッ素分が多いと花が咲きにくくなりますので注意が必要です。

●日照

年間を通して、日当たりのよい場所で育てましょう。ただ、暑さと乾燥には弱いので、夏場は直射日光を避け、半日陰へ移動させましょう。

●生育適温

生育適温は0~20℃くらいです。温暖な気候を好み、耐寒性はありますが、耐暑性が弱いので、真夏は風通しのよい半日陰に移動させます。

●水やり
基本的には、鉢土の表面が乾いた時だけたっぷりと与えます。7~8月は乾きやすいので、朝と夕方の2度くらい水を与えた方がよいでしょう。逆に、梅雨時期は与えすぎに注意します。

●手入れ
葉が密集すると、株の中まで風が通らなくなり葉が枯れたり病気の原因になるので、梅雨前に間引きをして風通しをよくします。次々に花を咲かせるために、花が枯れる前にこまめに収穫しましょう。


●収穫時期
花の中心部が盛り上がり、舌状花が垂れ下がり始める前が収穫期です。花の部分だけをていねいに摘み取って、風通しの良い日陰で乾燥させて利用します。

●植え替え
ジャーマン種もローマン種も一度植えたら特に植え替えの必要はありません。ただし、種から育てる場合は、小株が6~7cmまで生長したら鉢に植えかえる作業をします。

■カモミールのふやし方

ジャーマンカモミールは1年草ですが、さし木や、花が咲き終わったあとのこぼれ種で簡単にふやすことがでいます。こぼれ種を得るために、花はすべて摘み取らずに、1~2本少し残しておきましょう。
ローマンカモミールは株分け、ダイヤーズカモミールはさし木でふやすといいでしょう。

2.カモミールの育て方(苗の植えつけ)

種からも育てられますが、春に園芸店に並ぶ苗を購入すると簡単に栽培できます。
種から育てたい人は秋まきし、葉が5~6枚になったら鉢(プランターや庭でもよい)に定植します。

<用意するもの>・カモミールの苗  ・鉢(8号鉢以上)またはプランター  ・鉢底ネット  ・ゴロ土(鉢底石)
・培養土  ・苦土石灰  ・マグァンプK(化成肥料)  ・シャベル  ・ジョウロ

1 鉢(プランター)の底に、鉢底ネットを大き目に切って入れ、ゴロ土(鉢底石)を敷きます。 2 鉢(プランター)に市販の培養土を入れ、マグァンプKを小さじ一杯加え、よく混ぜます。また、土10リットルに対し、小さじ1杯の苦土石灰を混ぜ、アルカリ性の土に調整します。

3 春にカモミールの苗を購入して、鉢(プランター)に定植します。
苗の選び方

葉の色がよく、しっかりした苗を選びます。ひょろながく徒長したものや色がよくないものは避けましょう。
4 準備ができた鉢(プランター)に根元がやや高くなるように植えると、水はけがよくなります。
定植後は、水を鉢底から流れ出るくらいにたっぷりやり、明るい日陰に3~4日置いた後、日当たりのよい場所に移します。

<ポイント>
土の表面が乾いたらたっぷり水をやります。
夏場は乾燥しやすいので注意しましょう。
葉が込み合ってくると、茎や葉が蒸れて枯れやすくなります。
特に春から夏に掛けての暑い時期はアブラムシがつきやす
いので、風通しのよい場所で育てるようにします。
<アドバイス>
鉢植えの場合、苗の植え付け方法は、どのハーブもほぼ共通していますので、難しいことはほとんどありません。ぜひ楽しんでハーブ栽培にチャレンジしてみてください。

2.花が咲いたら収穫を

1 春から初夏にかけて花が咲き、始めはデージーのように平たい形をしていますが、だんだん花の形が変わってきます。 2 開花後数日たつと、花芯(花の中心の黄色い部分)がふくらみ、花びらが下側を向くようになります。 3 開花後数日経過し、花芯が少しふくらんできた時が収穫時期です。午前中に、茎と一緒に花を摘むようにして収穫します。花はどんどん咲くので、毎日収穫できます。

<アドバイス>
鉢花はフレッシュのうちにハーブティーや切り花、料理の香りづけ、ハーブバスなどに利用します。日陰で乾燥させたものもティーやポプリに利用できます。
ティーは、3週間くらい乾燥剤とともに密閉ビンに入れて熟成させるとさらにおいしくなります。

3.カモミールの品種(種類)

カモミールは、1年草のジャーマン種
多年草のローマン種ダイヤーズ種ダブルフラワー種の4品種があります。

●ジャーマンカモミール
カモミールの中で最も育てやすいのがこのジャーマンカモミールです。花もたくさん咲き、一年草ですがこぼれ種からもよく育ち、多年草のように毎年楽しめます。春から夏にかけて白くかわいい花を咲かせ、黄色の花の中心部が厚くふくらむのが特徴です。
花からは「地上のりんご」の名にふさわしく、カモミール独特の蜜りんごのような香りがします。種まきと、苗の植えつけ時期は春と秋ですが、秋植えして冬を越した方が丈夫に育つので、どちらかと言えば秋植えがおすすめです。さし木でも簡単に増せます。

●ローマンカモミール
アジャーマンカモミールとよく似ていますが、ローマンカモミールは何年も生きる多年草です。花数はジャーマン種に比べやや少なめですが、花の大きさはジャーマン種に比べやや大きく、花だけでなく茎や葉にもリンゴの香りがあり、踏むと香りがわき上がるので、香りの芝生としてよく利用します。
横に広がりながら成長するので、鉢植えの場合、大き目の少し平たい鉢が向いています。種まきと、苗の植えつけ時期は春と秋です。さし木でも増やせますが、株分けの方が簡単に増やせます。

●ダイヤーズカモミール
ローマン種と同じく多年草のため、一度植えると長く楽しめます。初夏から真夏に掛けて黄色い花を咲かせ、その鮮やかで魅力的な黄色は、染色料にも利用されます。茎はまっすぐ上方向に伸び、草丈は60cmくらいになります。
他の品種のような甘い香りはないので、ティーには利用しませんが、切り花やドライフラワーに利用したり、花壇に植えてその鮮やかで素晴らしい黄色を楽しみます。種まきと、苗の植えつけ時期は春と秋ですが、さし木でも簡単に増やせます。

●ダブルフラワーカモミール
白い八重咲の花をつける品種で、全草から甘い香りがし、花をティーに利用します。ティーはミルクティーがおすすめで、生理痛などに効果があると言われています。ジャーマン種、ローマン種同様にいろいろな楽しみ方、利用方法があります。
寒さに強く、水はけがよければたいていの場所で栽培できます。種が無いので、苗を購入しての栽培になりますが、横に広がっていくタイプなので、多少広く大き目のプランターか、できれば時植えがおすすめです。ローマン種と同様、芝生代わりにもなります。